職場でイジュ仲間が持ってきて読ませてもらったのだが、なかなか濃い記事だった。
だいたい1ページ目の人物紹介からしてこんなんだ。
高2で三遊亭楽太郎に弟子入りし、なぜかラジオでブレイク。
20歳で『オールナイトニッポン』、そして帯の冠番組『Oh!デカナイト』。
TBSでは局内を原チャリで爆走し、おむつ着用&放尿で某授賞式…。
ラジオにおいて面白さを追求する姿勢には鬼気迫るものがある。
それを称して、人は“黒伊集院”と呼ぶ。
一方、ジェントルな笑顔と知性と知識、テレビの彼は“白伊集院”。
だが、テレビで過剰に面白を追求するエライ番組があって、
それはどうやら“白”でもないようで…。
伊集院 光、間もなく41歳。かなり真っ当に笑いと仕事を語るのである。
いきなり「黒伊集院」から説明するあたり、このライター、ノリノリである。
基本的には今月出るDVD「伊集院光のばんぐみ」にからんだ記事。
ネットで全文が読めるのでファンは読むべし。
◇伊集院 光 | ロングインタビュー | R25.jp伊集院の話ももちろん面白いのだが、自分はむしろ裏方のインタビュアーの腕を感じた。
やっつけの記事なら「質問」と「回答」を並べるところだが、具体的な質問は極めて少なく、自然に伊集院がしゃべってるように見える。
「つまらない部分に文字数使うくらいなら一文字でも伊集院の話を」とライターが考えたかどうかは知らない。
しかし、記事を読むにかなりツボを押さえた質問がされたことは想像に難くない。記事中に「誇大妄想だとか被害妄想だとか」と入れてくるあたりマニアに違いない。
武田篤典(steam)=文
とあるので検索してみた。
『スマート モテリーマン講座』という本を出しているらしい。
Amazonのレビューを見るとかなりの高評価。
内容もさることながらライターとしての能力も評価されている模様。
買ってみるか。面白かったら自分の嗅覚は正しかったと少し自信を持とう。
閑話休題、これは伊集院に関する話だった。
記事の大目的(企画書的な意味で)は、DVDを買おうか迷っているリスナーにDVDを買わせること(一般読者にDVDを買わせるのはさすがに難しいだろう)と、テレビのピクニックフェイスでない黒伊集院の面白さに興味を持ってもらうことだろう。とりあえず自分は買うことにしたので少なくとも一匹は釣れたことになる。第2目的はちょっと確かめようがない。
それに加えて裏の目的として「ヘビーリスナーを満足させる話を引き出すこと」があったと勝手に推測するのだが(よく考えたら名前で読者を釣るわけだからこっちが表かもしれない)、これも満足のいく記事だった。特に「白と黒のあり方」と「ニュースのコメンテーターをやっていたとき」の話。
個人的に金言だと思った所を抜粋。
やりたいこと、やるべきこと、できないことを知り、反省し、でもやっぱり“それが俺だ、しょうがない”
この記事のすごいところはマニアックな趣味の世界の話を「機を見るに敏」に一般人向けの雑誌にねじ込み、一般人もマニアも満足のいく形に仕上げた所。